数学科学習指導案


教 諭  上 原 永 護
対 象  1年○組
於 コンピュータ教室


授 業 の 視 点

 コンピュータを用いることにより、生徒一人一人が主体的に考察し、興味を もって粘り強く数学の学習に取り組んでいく態度が育つとともに、座標概念の形成が効果的に行われ学習活動を活性化するのに有効であったか。


T.題材名 「座標」

U.考察

 1.題材感
 関数の概念は、変化に対する人間の意識から芽生えるものであり、人間と自然との関わりにおいても、長い歴史があるということができる。
 また、21世紀を間近に控えた現在も社会情勢等が不確実性を深めてきており、今の中学生が活躍する時代では、過去・現在以上に、その変化を読み取る関数の概念が今まで以上に必要となってくることが予想される。
 しかし、日常生活において、身の周りに様々な変化するものがあるからといって、それだけで、その変化を正しく理解し、それに対応する能力を培うことができるというものではない、むしろ、ことばだけが先行し、変化に流されたり、それに対する理解が誤った方向に流されることもある。日常生活との関連が深いだけに、変化を読み取り、それを分析し、表現する方法を正しく理解させる必要がある。
 また、これからの変化の激しい世界に生きていくには、新たな状況に応じて、新たに思考し、予想・判断し、行動する生きた学力であることからも、本題材は、これからの時代に生きる生徒たちには欠かせないものであると考える。
 本題材では、変数に負の数がふくまれていてもグラフがかけるように、座標平面や、点と座標の関係を考える必要性を知るとともに、点の位置を座標を使って表す方法を学習する。
 座標に関するものとして、小学校低学年から、自分の席の位置を廊下側から2列目、前から3番目のように表すことから始め、気温と時刻の関係をグラフに表すなど、日常生活に関係したものから始め、平面上や空間にあるものの位置の表し方について、それぞれ、2つ、3つの数の組が必要であることなどを学習している。また、折れ線グラフについても学習しているが、まだ、座標という考えまで進んでいない。
 そこで、その学習経験を踏まえ、点の位置をx,yの値の組、2つの数の順序対として表現する座標の考えを扱う。
 また、数学的に問題を解決していく場合、その過程や結果を何らかの形で表現する必要がある。その際に、文字を利用して式で表現したり、表で表したり、図やグラフを用いて考えたりといった表現の工夫をすることによって理解や処理が容易になることがある。このような様々な表現手段を活用することによって、数学的な見方や考え方のよさを知ることができる。その際に、座標の概念は欠かせないものである。
 座標の考えを用いて、比例・反比例・1次関数・2元連立方程式・二乗に比例する関数等や統計などの学習へ発展していくが、本題材の学習を通じて、次のような数学的な考え方を養うことができる。

C『拡張』
 中学校第1学年「正の数、負の数」の学習において、0および正の数から数の範囲を負の数まで拡張したのにともない、第T象限から第U象限、第V象限、第W象限まで座標概念を拡張する。
D『補完』
 小学校の第6学年において、x≧0、x≧0、比例定数が正の場合に、比例のグラフをかく方法について学習している。
 しかし、既に負の数まで学習しているにもかかわらず、そこまで変域を広げていなかったことに気づかせる。そこで、本題材では、負の数を加え、変域や比例定数は負もありうることを理解させ、比例として、完全な体系づくりを行い、概念づくりの側面からは、補完する。
 つまり、正の数、負の数を用いることにより、平面上の点が一意的に表されることを理解できるようにする。
E『座標の考え』
 座標という概念は、本来解析幾何の内容であるが、関数関係をグラフに表したり、グラフに表された関数関係を読み取ることに役立つだけでなく、コンピュータに関連してグラフィックス処理における位置の表示など応用範囲が広く、関数関係を表すのに重要である。
F『統計の考え(表化・グラフ化の考え)』
 統計における分類整理の結果をその集団の直観化を図るために、表やグラフに表し工夫することは大切である。小学校からグラフ化のアイデアとして、いろいろなグラフを学んできており、また、第2学年においても様々なグラフを学習するが、本題材はその基礎基本となるものである。
G『単位の考え』
  関数のグラフをかく場合、必ずしもx軸とy軸の単位の長さを等しくとる必要はない。しかし、本題材では、簡単なグラフの描き方を学習するため、そのようにするが、多くの場合、そうしておいた方が利用価値が高いことにも気づかせ、単位の長さは等しくとることのよさを感得させる。
H『関数の考え』
 関数の考えは、数学的に問題をとらえたり、処理したりする際には、基本的に用いられるアイデアである。この意味で関数の考えの要点を知り、それを有効に活用できるようにすることは、数学的な考え方の育成において極めて重要なことである。
 ここでは、関数の中でも最も典型的なものである比例、反比例について学習をする。比例、反比例は特に事象のなかに多いものであり、それに対する理解は大切である。

 このように、本題材は、中学校における数量関係の学習における基礎基本であり、多くの数学的な考え方に関わり、その内容は統合的なものであるため、重要なものであるといえる。

 2.生徒の実態

 〇数学的な考え方

 小学校からの学習において、これまで用いられてきた「方法に関係した数学的な考え方」(抽象化、単純化、記号化、数量化、図形化、特殊化、類推的、帰納的、演繹的、一般化、統合的、発展的等)については、発達段階から、意識して用いることは行ってきていないが、潜在的に身につけてきている。しかし、積極的にその考え方を用いることのできる生徒は少ない。
 また、「内容に関係した数学的な考え方(アイデア)」(単位の考え、表現の考え、操作の考え、アルゴリズムの考え、概括的把握の考え、基本性質の考え、関数の考え、式についての考え等)は、数学の『よさ』を感得させるのに欠かせないないものである。しかし、これらにおいても意識的、積極的にこれらの数学的なアイデアを用いることのできる生徒は少ない。

〇関心・意欲・態度

 指名されれば返答したり、黒板で説明することはできるが、一人一人が積極的に発言したり、行動したりして学習に取り組むことのできる生徒はいない。課題として課せられたものには取り組むが、現状に満足しがちで、自らの学力向上に多くの時間や労力をかけようとする雰囲気は希薄である。
 しかし、第1学年のこれまでの学習において、計算等では、習熟度が低くとも、多少はできることで自己満足しがちであったものの、1次方程式の文章題では、多くの生徒が自分の理解度・習熟度に不安を覚えるようになり、「もう一度教えてほしい」「わかるまでやりたい」という意欲的な声が生まれてきた。そのため、反復練習を行い、徐々に学ぶことの楽しさ、できることの喜びを味わうことができるようになってきた。当初、難度の高い問題の習得に否定的な雰囲気があったが、身につけようという明確な意志をもって意欲的に取り組むことができる生徒が増えつつある。また、理解が遅れがちな生徒も、簡単な1次方程式も解けなかったため、今まで身につけようという態度がみられなかったが、自分の間違いやすいところに気づき、自分なりに少しずつ、文章題が解けるようになってきた。だが、能力があるにもかかわらず、100点満点のところ、80点程度できれば満足し、努力を怠りがちな生徒も少なくない。

〇コンピュータ使用に対する意欲・レディネス

 コンピュータに対する興味や関心は高く、数学科においても現1年生は、これまで1次方程式の練習などで、数回使用してきているが、マウスでアイコンをクリックする程度の簡単操作しかしていないため、目的とする活動を行うには、その都度指示をする必要がある。また、授業後の感想をみてみると、「授業にもっとコンピュータを取り入れてほしい」と多数の生徒が望んでいる。
 コンピュータ使用に対しては、当初から抵抗感がなく、積極的に使用する生徒が多く、むしろ、その積極性から必要以上に操作をし、無意識に基本設定等
を変更してしまう危険性が高い。

〇レディネス
  (略)

V.指導方針及び学習活動への支援

〇新しい数学的内容の指導は、そう思っていなくても、とかく「教え込み」になりがちで、生徒の学習は、受動的になりやすい。数学を創っていこうとする積極的な学習活動が生起するよう心掛ける必要がある。
 また、自ら思考し数学を創造していくことを直接体験でき、よさを知ることができる。座標平面の負の数まで拡張したりすることは、創造的な学習を通した数学的な考え方のよさを感得するよい場面である。そこで、座標領域を拡張する場面では、x、yの変域を負の数にまで拡張することの必要感・切実感等を味わわせるとともに、その可能性に気づかせることにより、生徒自らの拡張を行うように導く。

〇単純に練習を繰り返すだけでなく、自分のやり方を評価・反省し、正確にできたかどうか等を検討するという自己評価の活動を取り入れる必要がある。このことは習熟を図ると同時に、意欲を起こさせ、ひいては自己教育力を育成することにもつながる。
 また、紙面上では、短時間に数多くの問題練習を行うのは困難であり、問題の変化も少ないため、生徒の学習意欲の継続は難しい。
 そこで、コンピュータを用いることにより、学習意欲を換起し、生徒一人一人が積極的に行動し、興味をもって粘り強く数学の学習に取り組んでいく自己教育力を育てるとともに、座標概念の形成をより効果的に行う。

〇コンピュータには、利点もあるが、十分な配慮を行わないと、十分な学習効果が上げられないため、次のような点に留意して指導を行う。
 ・ コンピュータを生徒一人一人に使用させることにより、学習を主体的に行わせる。ただし、生徒用は20台しかないため、6名は交互に使用させる。
 ・ コンピュータの操作の理解で終わることのないように、学習の目標を理解した後に、コンピュータを使用させることによって、座標概念の理解を図る。
 ・ 短時間で数多くの練習が行え、また、意欲が継続するように、コンピュータの機能を有効に生かし、その即時性やグラフィックの美しさを利用しソフトウェアーを作成する。
 ・ 操作が容易になるようにはマウスオペレーションとするとともに、とかく、CRTを見続けると疲労が生じやすいため、破線に細かな目盛りを入れ、CRTを見ることによる疲れを軽減させる。

〇座標の考えを関数関係を表すのに利用するときは、縦軸、横軸は必ずしも等しい単位による目盛りでなくてもよく、変化や対応の様子をとらえて考察するのに都合のよいように座標軸の目盛りのとり方を適宜工夫することにも触れる。

W.研究テーマとのかかわり

 学習活動が活発に行っている生徒を育てるとは、一人一人が積極的に発言したり、行動したりして、興味をもって粘り強く数学の学習に取り組んでいくことのできるような生徒を育てていくことである。
 このような生徒を育てていくためには、一人一人が自己実現のために生きて働く資質や能力となる基礎的・基本的な内容として、数学科の学習指導では、数学への関心・意欲・態度、数学的な考え方や数学的な表現・処理などがある。
 特に、自己実現に生きて働く数学的な考え方や表現・処理などの能力は、基礎的・基本的な内容の中核をなすものであるから、これらが生徒たちにしっかり身に付くよう意を用いて指導していく必要がある。
 『数学的な考え方』は、関心・意欲・態度や知識・理解などに支えられてこそ、よりよく育成されていくものであるため、単なる興味関心に終わることなく、学習内容の本質にせまる関心・意欲を高め、生徒一人一人が学習の主体者であろうとする態度を育てるとともに、学習に必要な知識・理解を援助する指導の工夫を行う必要があると考える。
 また、数学科の授業にコンピュータを用いることによって以下の利点がある。

  @ 紙と鉛筆で計算したり、作図等していて大変だったこと、あるいは不可能であったことが、簡単にしかも楽しくできること
  A 即時性が優れていること
  B 表現力が優れているため、豊かなイメージをもって学習できること
  C 同一条件下での多数の試行を可能になること
  D 先を見通す力や判断力を育成すること
  E 作業に注ぐ労力と時間を思考活動に向けることができ、思考実験などの生徒主体の学習活動を促すことができること
  F Eにより、学習内容の理解を一層深めることができること

 そこで、本題材においては、コンピュータによって画面上に点を表したりすることにより、生徒一人一人が主体的に考察し、興味をもって粘り強く数学の学習に取り組んでいく態度が育つとともに、拡張された座標概念を明確にイメージし、その理解を深めるための反復練習を効率良く行うことができ、座標概念の形成に有効であると考える。


X.目標

 〇 座標の考えを進んで活用しようとする態度を育てる。
 〇 数の範囲を拡張することにより数学的な考えを高め、座標を用いて点の位置を表すことを通して、座標概念を形成するとともに、座標の考えのよさを知る。
 〇 点の位置を座標を使って表したり、座標によって点の位置を表す座標の考えを用いた数学的な表現・処理の能力を身につける。
 〇 数の範囲を正の数から負の数まで拡張し、点の位置と2つの数の順序対である平面座標の関係を理解する。

Y.評価規準

 〇 点の位置と座標を用したり、座標から点の位置を示そうとする。
 〇 変数に負の数が含まれていてもグラフがかけるように、座標平面や点と座標の関係を考えようとする。
 〇 座標の考えを用いて、点の位置を表現する。
 〇 点の位置と座標の関係を理解する。


Z.指導計画
  単 元 名 「量 の 変 化 と 比 例 (全14時間)」

題材
時間
学習活動の内容

指 導 の ね ら い

支援上の留意点

評価項目














具体的な事象から、ともなって変わるいろいろな量を取り出し、それらの量の中にともなって変わる2つの量に着目し、その間の関係を関数関係としてとらえyがxの関数であることの意味を知る。
数量関係を調べ、数学的に考察しようとする態度を育てる。
関数関係に気づき、関数の考え方のよさを感得する。
数量関係を調べ、関数関係にあるか否かを判別する。
関数関係をとらえ、関数の意味を理解する。
変数に着目させ、その関連に気づかせる。
事象が明確にとらえられることに気づかせる。
関数関係にないものと対比し、練習を行う。
定義だけでなく具体的な事例を多く例示する。
変数などに着目し数量関係を考察しようとする
明確さや美しさなどに気づくことができる。
事象の関数関係を判断することができる。
関数の定義を理解している。

関数関係にあるxとyを表やグラフや式で表す復習を比例の事例を扱うことにより行う。
変数や変域の意味とそれをことば、数直線、不等号を用いて表す方法について知る。
変数や変域から関数関係を考察しようとする態度を育てる。
数直線や不等号によって表す方法のよさを感得する。
変域をことば、数直線、不等号で表すことができる。
変数や変域の意味とそれを表す方法を知る。
具体的事象を扱い、意味に具体性を持たせる。
視覚的にとらえやすいことに気づかせる。
様々な場合を取り上げ、反復練習を行う。
いくつかの似た事例を扱い、理解を深める。
変数や変域から関数関係を考察しようとする。
数直線や不等号の明確さに気づく。
目的に応じて、変域を適切な方法で表せる。
変数や変域の意味を理解している。

関数の意味、変数や変域の意味とそれをことば、数直線、不等号を用いて表す方法を関連させながら、そのまとめと練習を行う。
関数の考えを用いようとする態度を育てる。
関数の考え方やそれを表す方法のよさを感得する。
関数関係を式、表、グラフ、数直線等を用いて表す。
関数の意味を理解し、それを表す方法を理解する。
数量関係から新たな性質に気づかせる。
数量関係を明確化することに気づかせる。
例題を多く扱い、習熟を図る。
様々な関数関係の表し方の関連を図る。
関数の考えを用いて数量関係を考えようとする
関数の考えをよさを生かして考察するできる。
式、表、グラフ、数直線等で関数関係を表せる
関数関係を表す方法を理解している。













小学校で既習の比例概念を基に、変数x、yの変域を負の数を含む集合にまで拡張してその特徴を考察し、式の形に着目して比例の定義を行う。

比例概念を拡張することに関心を持つ。
変域を拡張することのよさを感得する。
比例関係を式で表したり、式の形から比例関係を判別する。
比例の式の形と変域が負の数の場合の変化の特徴を理解する
変域が負の数の場合を考察させる。
既習内容が完全化できることに気づかせる。
例題を多く扱い、習熟を図る。
比例定数や表を用いて変化の特徴を調べさせる
変域を負の数にまで拡げて考察しようとする。
すべての数の変域が扱えることに気づく。
比例の式を表したり、比例であるか判別できる
比例定数が正の場合の変化の特徴を理解する。

具体的な事例から得られる条件を基に、比例であることを判断し、y=axという式の形を決め、さらに1組のx、yの値から比例定数aや、その変数の値などを求める。
比例の式や変数の値などから関数関係に関心を持つ。
方程式の考えが用いて、式などが求められることに気づく。
比例の式や変数の値などを求めることができる。
比例の式、1組のx、yの値、比例定数の関係を理解する。
具体的な事例を扱うことにより意味を持たせる。
方程式の考えを統合的に用いて式を求めさせる
例題を多く扱い、習熟を図る。
x、yの値、比例定数の関係に着目させる。
式や変数の値などを求めようとする。
数値を代入し、方程式の解き方で式が求める。
式や変数の値などを求めることができる。
x、yの値や比例定数から比例関係を理解する

yがxに比例するとき、比例定数が負の数になる場合について、比例定数の意味や倍々関係が成り立つことを調べる。
比例定数が負になる場合の数量関係に関心をもつ。
比例概念を完全化するため、比例定数が負の場合を考える。
比例定数が負の数の場合の変化の様子を調べる。
比例定数が負の数の場合を考察し、比例概念を深める。
比例定数が正のみであったことに気づかせる。
すべての数が用いられることに気づかせる。
比例定数が正の数の場合を対比して調べさせる
具体例で意味を持たせ、表を用いて調べさせる
比例定数が負になる場合を考えようとする。
変域、比例定数で既習事項の統合化を意識する
比例定数が負の場合の変化の特徴を調べられる
比例定数が負の場合の変化の特徴を理解する。





(本時)
変域に負の数が含まれていてもグラフがかけるように、座標平面を拡張し、点の位置を座標を使って表す方法について知る。
座標の考えを進んで活用しようとする態度を育てる。
座標概念を形成するとともに、座標の考えのよさに気づく。
座標の考えを用いた数学的な表現・処理の能力を身につける
数の範囲を拡張し、点の位置と平面座標の関係を理解する。
コンピュータで点と座標の関係を考察させる。
コンピュータで点の位置を1組の値で表させる
コンピュータを用いて反復練習を行わせる。
コンピュータで座標を符号や絶対から表させる
点と座標の関係を考えようとする。
1組の値から点の位置や関数関係を考察する。
1組の値から点の位置を求めたり逆ができる。
有理数での平面座標と位置の関係を理解する。









yがxに比例するとき、その比例定数が正の数、負の数、それぞれの場合のグラフをかき、その特徴を調べる。
比例のグラフをかき、その特徴を関心をもつ。
グラフによって関数関係を表すことのよさ感得する。
比例定数が正の数、負の数それぞれの場合のグラフをかく。
グラフをかくことによって、比例の特徴を理解する。
表、座標、グラフの関連性を図る。
視覚的に端的にとらえやすいことに気づかせる
座標軸、目盛り等は適切なものを助言する。
かき方と直線になることの関連に気づかせる。
比例のグラフをかき特徴を調べようとする。
関数関係をグラフから考察する。
比例定数が正・負それぞれのグラフがかける。
グラフから比例の特徴を理解する。

比例のグラフの特徴への理解を深め、その特徴を利用したグラフのかき方やグラフから関数の式を求める方法を理解する。
グラフの特や、グラフから式を求めることに関心を持つ。
比例のグラフの特徴を用いたかき方や式の求め方を考える。
比例のグラフの特徴を用いてグラフをかいたり、式を求める
比例のグラフの特徴やグラフと式の関係を理解する。
コンピュータを用いて多様なグラフをかかせる
コンピュータで比例定数を変え、考察させる。
手書きグラフや式を求める問題を多く扱う。
コンピュータで多様な場合を扱い、考察させる
グラフの特徴を調べ、式を求めようとする。
比例定数とグラフの特徴との関係を考察する。
特徴を生かして式を求めたりグラフがかける。
グラフやグラフと式の関係から比例を理解する








10
具体的な事象から、反比例の関係にある2つの量を見いだし、反比例の定義と式の表し方や比例定数が負の数になる場合などについて調べ、反比例の特徴を知る。
反比例の関係の事象やその特徴を調べることに関心を持つ。
比例と反比例の関係や反比例の数量関係を考察する。
反比例の事象を見いだし、式に表すことができる。
反比例の定義を理解し、その式の形や変化の特徴を知る。
反比例の身近な具体的事例に気づかせる。
比例で学習した視点から考察させる。
座標軸、目盛り等は適切なものを助言する。
漸近線に着目させたり多くの事例を扱う。
反比例の特徴を調べようとする。
比例を参考に、反比例の数量関係を考察する。
反比例の数量関係を式に表せる。
反比例の式や変化の特徴を理解する。
11
反比例のグラフの特徴への理解を深め、その特徴を利用したグラフのかき方やグラフから関数の式を求める方法を理解する。
グラフの特徴を調べたり、式を求める方法に関心を持つ。
反比例のグラフの特徴を用いたかき方や式の求め方を考える
反比例の式を求めたり、グラフの特徴を用いてグラフをかく
反比例のグラフの特徴やグラフと式の関係を理解する。
コンピュータを用いて多様なグラフをかかせる。
コンピュータで比例定数を変え、考察させる。
手書きグラフや式を求める問題を多く扱う。
コンピュータで多様な場合を扱い、考察させる
グラフの特徴を調べたり、式を求めようとする。
比例定数や漸近線などの特徴を考察する。
特徴を生かして式を求めたりグラフがかける。
グラフやそれと式の関係から反比例を理解する





12
13
14

具体的な事象から数量関係を見いだしたり、比例・反比例の特徴を生かして関数関係を式、表、グラフに表し、比例定数、x、yの1組の値の関係を用い、その数値の求めるなど、比例・反比例への理解を深める。
比例・反比例の特徴を数学的に考察することに関心をもつ。
関数関係に気づき、関数の考えのよさを感得する。
数量関係に気づき、それを式、表、グラフに表す。
比例・反比例、関数、変域等の意味やその表し方を理解する
比例・反比例の具体的な事例を扱う。
具体的な事例を扱い、その有用性に気づかせる
多くの類題を通して、習熟を図る。
様々な関数関係の表し方の関連性に気づかせる
関数の特徴に気づき、問題を解こうとする。
比例・反比例の特徴から関数関係を考察する。
数量関係を式、表、グラフに表せる。
比例・反比例の特徴を理解する。


5.本時の学習
 (1)目標

 〇 座標の考えを進んで活用しようとする態度を育てる。(関心・意欲・態度)
 〇 数の範囲を拡張することにより数学的な考えを高め、座標を用いて点の位置を表すことを通して、座標概念を形成するとともに、座標の考えのよさを知る。(数学的な考え方)
 〇 点の位置を座標を使って表したり、座標によって点の位置を表す座標の考えを用いた数学的な表現・処理の能力を身につける。(数学的な表現・処理)
 〇 数の範囲を正の数から負の数まで拡張し、点の位置と2つの数の順序対である平面座標の関係を理解する。(知識・理解)

 (2)準備・資料
   教師→コンピュータ、ソフトウェアー(自作『座標(モグモグハンター)』)、OHP

 (3)展開
学習のねらい

学習活動

時間
支援上の留意点

評価項目

 x≧0、y≧0、比例 定数が正の場合の比例の グラフをかくことにより 既習内容を想起するとともに、x<0の範囲のグラフへの関心を持つ。
 x≧0、y≧0、比例定数が正の場合の比例のグラフをかく。
3分
 縦軸、横軸があらかじめ記入されたグラフを使わせる。
 比例のグラフが原点を通る直線であることを想起させる。
 x≧0、y≧0の範囲で原点を通る直線のグラフをかける。
(表現・処理)

 座標概念を第T象限から第W象限まで拡張する。
 x<0の範囲の比例のグラフを考察する。
5 分
 グラフを延長することや表から変化の特徴に気づき、x、yの変域を負の数にまで拡げる必要性を感じさせる。
 x、yの変域を負の数にまで拡げて、比例のグラフかこうとする。
(関心・意欲・態度)

 直交座標における平面
上の点の位置の表し方を
理解する。
 x軸、y軸、座標軸、座標平面、x座標、y座標の用語の意味と座標による点の位置の表し方を知る。
10分
 x軸とy軸の単位の長さ を等しくとる必要はないが 等しくとる方が多くの場合 利用がしやすいことを知らせる。
 多くの例示を行うことによって、2つの数の順序対(座標)と点の位置の関係の理解を図るとともに、その簡便性、明確性などを味わわせる。
 x軸、y軸、座標軸、座標平面、x座標、y座標の用語の意味を理解する。
 座標による点の位置の表し方を理解する。
(知識・理解)

 x、yの関係とその座標平面上での位置を表す座標の考えのよさを感得する。
(考え方)

 座標の考えのよさを生かし、座標による点の位置の表し方を身につけるとともに点の位置と座標の関係への理解を深める。
 コンピュータ上に示されるx、yの符号、絶対値から点の位置を示す。
12分
 コンピュータの操作に不慣れな生徒が多いため、最低限の操作だけを行うように注意し、誤操作を防ぐ。
 最初に操作方法を画面転送で演説明した後に操作させる。
 十分に操作できない生徒には、その生徒のところへ行き、助言を与える。
 符号、絶対値と座標平面上での位置の関係に着目させ、対称の位置への関心を持たせる。
 点の位置と座標の関係を考えようとする。
  (関心・意欲・態度)

 1組のx、yの値からその点の位置を示すことができる。
(表現・処理)

 点の位置を1組のx、yの値で表すことができる。
     (表現・処理)

 点の位置と座標の関係や座標平面上表されるxとyの関係を考察する。
(考え方)

 符号、絶対値によるx、yの値と点の位置の関係を理解する。
(知識・理解)

 コンピュータ上に示される点の位置を、x、yの符号、絶対値で表す。
10分
 座標平面を使うことによって、負の数が含まれていても、x、yの関数関係を点の位置で表せることへの理解を深める。
 練習問題を解き、座標と点の位置の関係や座標軸によって分けられる4つの象限の特徴について調べる。
10分
 OHP上で点の位置や象限の特徴を示し、視覚的に表現し、理解しやすくする。
 座標の考えや座標平面の特徴に関心を持つ。
(関心・意欲・態度)

 座標平面の特徴やx、yの関数関係を点の位置で表せることを理解する。
(知識・理解)



 (4)評価 

 〇 数の範囲を拡張することに関心を持ち、点の位置と座標の関係を考えようとする。
(関心・意欲・態度)

 〇 1組の値からその関数関係を考察したり、座標の考えのよさに気づく。
(数学的な考え方)

 〇 点の位置を座標を使って表したり、座標によって点の位置を表すことができる。
(数学的な表現・処理)

 〇 数の範囲を正の数から負の数まで拡張し、点の位置と座標の関係を理解する。
(知識・理解)


 (5)座席表
   (個人情報管理の都合上、入れ替わっているため、実際の座席とは異なります)

教師用コンピュータ

  OHC    VTR

 BCCB
座標から点の
位置を求める
ことができる

 AAAC
座標と点の位
置の関係を表
せる。
 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。








 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。

 BBBA
座標の考えの
特徴やそのよ
さに気づく。
 CCCA
座標から点の
位置を考えよ
うとする。

 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。

 BBCA
座標平面の特
徴や座標の考
えを理解する
 BBBA
座標の考えの
特徴やそのよ
さに気づく。


 BBBA
座標と点の位
置の関係を表
せる。


 BBCB
座標から点の
位置を求める
ことができる
 BCCC
座標から点の
位置を求める
ことができる
 BBCA
座標と点の位
置の関係を表
せる。

 BCCB
座標と点の位
置の関係を表
そうとする。
 BBCA
座標平面の特
徴や座標の考
えを理解する
 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
そうとする。

 BBCA
座標の考えの
特徴やそのよ
さに気づく。
 BBCA
座標と点の位
置の関係を表
せる。





















 BCCA
座標から点の
位置を求める
ことができる

 BBCC
座標と点の位
置の関係を表
せる。

 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。
 BBCA
座標と点の位
置の関係を表
せる。


 BBCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。
 BBCC
座標から点の
位置を考えよ
うとする。

 BCCB
座標と点の位
置の関係を表
せる。






 BBCA
座標から点の
位置を表すこ
とができる。


               生徒番号
                 ↓
  性別→

一人一人の→
指導目標
14

A,B,A,Cレディネス(T〜X)
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  左から順に(T比例のグラフ(小学校)、U・V座標軸の単位の取り方、
        W負の領域への意識、X座標の表し方(小学校))

 レディネス→A…完全にできた  B…大体できた   C…ほとんどできない

(性別と生徒番号は省略)


☆参考資料

《実態調査》実施日 平成○年○月○日、対象 1年○組

               1年 組 NO. (        )
T 次の表をグラフに表しなさい。


  A・・・正確にかける
      直線で結ばない
  B・・・正確にかける
      直線で結ぶ
  C・・・正確にかけない


  A・・・正確にかける
    直線で結ばない
      適切な目盛りがとれる
  B・・・正確にかける
    直線で結ぶ
    適切な目盛りがとれない
C・・・正確にかけない


  A・・・正確にかける
    直線で結ばない
    適切な目盛りがとれる
B・・・正確にかける
    直線で結ぶ
    適切な目盛りがとれない
C・・・正確にかけない


A・・・正確にかける
    直線で結ばない
    適切な目盛りがとれる
      負の数の変域のグラフも
      かける
  B・・・正確にかける
    直線で結ぶ
適切な目盛りがとれる
C・・・正確にかけない


  A・・・端的に表せる
      縦横の位置を表せる
  B・・・縦横の位置を表せる
  C・・・表せない


 グラフ用紙
  (略)
(座標軸、目盛り入り)




 A
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
 B
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20



U 次の表をグラフに表しなさい。


 グラフ用紙
  (略)
(座標軸、目盛りなし)




 x
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
 y
0 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30





V 次の表をグラフに表しなさい。


グラフ用紙
(略)
(座標軸、目盛りなし)




 x
0 1 2 3 4 5 6 7 8
 y
0 25 50 75 100 125 150 175 200





W ある地点から東へ時速4kmで移動するとき、東
  の方向を正の方向としたときの移動の様子をグ
  ラフで表しなさい。



グラフ用紙
(略)
(座標軸、目盛りなし)












X 自分の座席の位置を言葉で表しなさい。
   (                            )





<参考文献>

文部省  大阪書籍  中学校指導書 数学編              平成元年7月 文部省  大日本図書 中学校数学指導資料 学習指導と評価の改善と工夫 平成5年6月 文部省  大日本図書 小学校算数指導資料 新しい学力観に立つ算数科の学習指導の創造
 平成5年9月
文部省  東京書籍 小学校算数指導資料「関数の考えの指導」       1973年 文部省  ぎょうせい 情報教育に関する手引き             平成2年7月 田中正吾・松浦宏[編] 国土社  文章題の完全習得学習と指導       1983年 片桐重男著      明治図書 数学的な考え方の具体化         1988年 片桐重男著      明治図書 問題解決過程と発問分析         1988年