平成9年度情報教育指導者講座 中学校・数学(神奈川県)


平成9年9月29日  13時30分から17時00分


「数学科におけるコンピュータの活用事例の発表」




神奈川県立教育センター コンピュータ研修室A


1.北海道 B市立N中学校 栂野 教諭

 コンピュータはDOS/V、平成5年導入。ドリルソフトが入っているが使いにくいので生徒に見せる程度の利用である。北海道では機器導入に精一杯でソフトまで手がまわらないのが現状である。Win3.1を使用しているがメメモリも少ないため、利用しにくい状況である。

2.青森県 H町立K中学校 前田 教諭

 コンピュータは平成5年度に20台、HDなし。DOSのみ。個人ではWin95やインターネットを利用している。個人的にはDOSのみを利用している。計算練習ソフトを中心に利用している。まずは利用することから始めている。個人的には2・3年前から授業で利用し始めた。

3.青森県 O町立O中学校 蒔苗 教諭

 平成2年41台、文部省の補助等で導入されたが、その後、機器の更新は全く行われていない。平成7年度に文部省指定で発表。発表のためにノート型を理科の実験用などに7台入れた。発表後は利用率が下がったが、数学科では使用を続けている。今回の資料は、コンピュータ利用が可能な授業を検討したものである。実際授業を行ったものもある。平成5・6・7年度は200万円、8年度は100万円、9年度は50万円のソフト購入をしている。ソフトはいろいろ購入したが、今も使い続けているよいものは限られたものである。

4.青森県 M市立T中学校 坂本 教諭

 全校生徒78名。4年前に校舎新築、同時にコンピュータ設置。1年目7台、2年目・・・と段階的に導入された。同じ機種であるが能力が違うため、同じソフトが動かないことがあった。個人的にはOASYSのワープロ専用機を使ってきたため、操作が異なるため苦労が多い。技術科も教えているが部屋の設計にコンピュータを利用している。生徒の習熟の進歩はとても速い。むつ市内の数学の先生方の研究会で話し合ったりもしているが、県内の情報教育センターに頼むとソフトを開発してくれる。

5.岩手県 M市立M中学校 遠藤 教諭

 700〜800名の生徒がいるがコンピュータは20台しかないため、数学の授業では使えない。富士通のTOWNSが入っている。地域に富士通の会社がある。数学科でパソコンを1台買ったが、成績処理にも利用されている。

6.岩手県 I市立Y中学校 佐々木 教諭

 市内の中学校では、各学校で年2回コンピュータの研修会が行われ、市でも年2回研修会が行われている。「図形の性質発見」というソフトを利用している。「関数ランチボックス」も利用している。

7.岩手県 K村立K中学校 小野寺 教諭

 6年前からコンピュータを使い始めた。DOS環境である。

8.秋田県 H町立H中学校 藤田 教諭

 柔道・バスケ・野球など部活動が盛ん。平成4年度に22台導入。本年度、インターネットに接続し、HPも作成している。東京書籍のシミュレーションソフトを利用している。利用する場面は限られがちである。自習のときにドリルを使用している。市販ソフトは作成者とのズレがあるため困っている。デジタルカメラも利用しているので授業記録もしやすくなっている。生徒は主にハイパーキューブ2を使っている。コンピュータを使える教師を増やすための研修を行っているが、徐々に成果が上がってきている。

9.秋田県 T町立T中学校 堀 教諭

 FMR-50があり、情報基礎で主に使われている。数学では昨年は3回ほど使用した。F-CAIとBASICを組み合わせて使用している。

10.秋田県 O市立O中学校 高橋 教諭

 生徒数197名で純農村である。狭い教室にFXが入っている。議会を通れば、新しいコンピュータが入る見込みである。財政的に厳しい状況である。東京書籍のシミュレーションソフトなどを使っている。板(3×3を串刺しで)を反転させる課題学習をした。

11.山形県 T市立D中学校 戸田 教諭

 昨年Windowsマシンが41台整備された。LANもインターネットもされていない。LANがないため、使用しにくい。FDドライブが1つしかないため、使用が難しい。第1中学校のため、最初に整備されたので、実績を上げ、他校の導入に反映しなければならない。技術科との整合性の問題があり、使用方法から教えなければならない現状である。

12.山形県 S市立R中学校 難波 教諭

 大学卒業後、動燃へ勤務し、その後、30歳に教員になった。動燃では、スーパーコンピュータを利用していたが、パソコンについてはあまり知識がない。学校では、7年前にDOSマシンが入っている。技術科以外では、数学の立体の切断で利用している程度である。

13.山形県 M町立M中学校 丹 教諭

 DOSからWinに機器が変更できないので困っている。県内のMLを利用して情報交換を行っている。

14.福島県 T町立T中学校 助川 教諭

 FX21台。コンピュータ部や生徒会役員が利用しているが、授業での利用は少ない。

15.福島県 S市立S中学校 亀田 教諭

 コンピュータは勉強を始めたばかりである。選択数学では活用している。FMVのWin95がLAN接続されている。自宅では、Canbeを使い、インターネットを利用している。自分の子ども用に音楽データを取り寄せたりしている。実践事例を積み重ねていきたいと考えている。

16.福島県 I市立U中学校 森 教諭
 FX24台。技術家庭科での利用が多く行われている。理科では天体の学習もしている。昼休み・放課後もコンピュータを解放したところ、苦手な子どもも取り組んだが、徐々に生徒は問題集に戻っていった。

17.茨城県 T村立T中学校 塙 教諭
 実際にパソコンを使い始めたのは今年の4月からである。動機は校務分掌の引継であった。技術家庭科の利用が中心で、教室が空いているときをみて使用している。

18.茨城県 I町立I中学校 浅野 教諭

 前任校では、コンピュータへの投資はすべて希望が通り、導入後も、毎年300万円ほど使えた。先進校に聞いたところ開発に時間がかかることを知り、自作はせず、市販ソフトを使った。現在校では、ようやく職員用にWindowsマシンが入り、無理を言ってインターネットに接続してもらった。HPを作るように要請があり作成しているが、町との関係から単独で作成できない複雑な状況である。ソフト予算は毎年希望するが、通らないため苦労している。

19.茨城県 M町立M中学校 中山 教諭

 前任校では平成3年度に40台のコンピュータが導入された。NECのオーサリングソフトを使った。1時間の授業のために50時間の準備が必要であった。授業者が必要なソフトをひとつひとつ作っていったら、私生活がなくなってしまうため、希望によりソフトを作成する専門の機関があればいいと感じた。

20.栃木県 O町立O中学校 小泉 教諭

 10年前にBASICでドリルソフトを作成した。4つの一次方程式のソフトを作ったが、それぞれ2〜3時間かかったため、その後は市販品を利用するようにした。

21.栃木県 N町立N中学校 志村 教諭

 技術科で空きがないような状態でコンピュータを利用しているため、数学科での利用は難しい状況である。ソフト購入の希望をしているが買ってもらえない。各教室にはTVがあるため、ノートパソコンでの利用を検討している。

22.栃木県 Y市立K中学校 坂本 教諭

 中規模校、五年前にSHARPのものが45台入った。進学社のソフトが入っている。シミュレーションソフトなどは入っていない。

23.群馬県 北群馬郡小野上村立小野上中学校 上原 教諭

 昨年4月にインターネットに接続し、HPを作成し始めた。昨年から選択教科の数学でインターネット利用をしてきたが、今年は情報発信を行うために、個人のHPも作成し始めた。今年の日数教の群馬大会で発表した平成6・7・8年度の学情研のソフトウェアコンテス入賞作品のダウンロードのページやJavaScriptで作成した数学の問題のページなどがある。

24.群馬県 O町立M中学校 大野 教諭

 PC9800UVが40台導入されている。古い機会なので使えるソフトは限られている。年に数回の利用である。創育の関数シミュレーションなどを使っている。

25.群馬県 G町立C中学校 佐藤 教諭

 数年前までは、情報基礎での利用しかなかったのだが、文部省の指定を受け、各教科での利用が始まった。特別な設備等もない。昨年度末、コネットの関係でインターネットに接続したが、数学科での利用はまだ行っていない。市販ソフトの活用が中心である。しかし、予算がかかるため苦労している。

26.埼玉県 H市立H中学校 田中 教諭

 高学歴の保護者が多い。13年前に導入された古い機械しかない。家庭には最新の機器がある。学校に今年、ようやくWin95マシンが入った状況である。技術科で使うのが精一杯で他の教科で利用はできない状況である。TTでコンピュータ利用する場合も相手の教員がコンピュータを使えない状況であるため、1時間の授業の打ち合わせに2時間かかる状況である。

27.埼玉県 Y町立J中学校 玉田 教諭

 DX2が21台。コンピュータを学校行事など、いろいろな場面で活用している。授業参観では、技術科や数学科で利用し、活用状況をPRしている。回転体・グラフなどで利用している。学校に許可を得て、個人のHPの中で紹介などを作成している。

28.埼玉県 K市立K中学校 村田 教諭

 前任校で文部省の指定を受け、発表をした。表計算のマクロや市販ソフトを利用した。啓林館の方に話を伺ったところ、業者としては最大公約数的なソフトを作るしかないと言っていた。市販ソフトでは意図した授業ができなかったため、BASICを勉強して自作ソフトを作成した。

29.千葉県 Y町立Y中学校 長谷川 教諭

 資料は、2年前、千葉県の算数数学教育研究集会で発表したものである。「図形の性質発見」を利用した。

30.千葉県 N町立N中学校 磯野 教諭

 数学に関するソフトはひとつもない。そこで、NIFTYからダウンロードしたソフトを利用した。2000桁まで平方根を求めるソフトなどを利用した。

31.千葉県 M町立M中学校 四宮 教諭

 生徒数550名。6年前に20台導入された。主に技術家庭科と数学科で利用されている。GCを活用している。教師が講師となり、学校開放を行っている。千葉県の教育センターから指導案がダウンロードできる。

32.東京都 O町立H中学校 荒川 教諭

 平成4年PC-9801EX10台、平成6年PC-9801CX10台が導入された。5択どすを活用している。

33.東京都 A区立N中学校 友部 教諭

 PC-9801FX(HD付)20台等が入っている。ソフト予算が非常に少ない。FD等の消耗品も厳しい状況である。生徒の台数分そろっているソフトは東京書籍の図形のシミュレーションの1年だけである。

34.東京都 A市立M中学校 紙澤 教諭

 昨年まで八丈島の中学校でPC-9801の40台を使っていたが、今年赴任した学校では、V-TOWNSが20台導入されたが、台数が少ないため、古い機器も残してもらっているが、混在しているため苦労している。

35.神奈川県 Y市立O中学校 森野 教諭

 ようやく職員室にWin95マシンが1台入ったところである。前任校でBASICを使って20本ほどソフトを作成した。

36.神奈川県 K市立O中学校 飯田 教諭

 2人に1台の状況である。市内の学校から50インチのディスプレイを借り、黒板の代わりに使用した。

37.新潟県 N市立T中学校 山崎 教諭

 長岡市では、学校の壁を取り払って人材を育てる教育を体育・理数・言語など4つの分野で行っている。Kitを利用した。

38.新潟県 N市立A中学校 佐藤 教諭

 昨年度、新設したが予算の都合でWin3.1である。GW,GC,LET'S TRYを主に使っている。年間計画にコンピュータが使える場面などを盛り込んで行きたいと考えている。

39.新潟県 G市立G中学校 魚野 教諭

 生徒用20台である。数学では主に図形分野のシミュレーションを使用し、時々、GCなどのツールソフトを利用している。実物での実験も行っている。

40.富山県 N市立N中学校 竹島 教諭

 240台以上のコンピュータがある。国語科教室45台(作文)、社会(検索)、理科(実験データ処理)、音楽室(MAC)・・・・、教科の特性に応じて機種選定している。特別教室がないのは数学科だけである。理科室は3つある。出席簿はなく、全部コンピュータに入力して処理されている。どこにも端末がある。インターネットも専用線につながれており、いつでも使える。学年が進むと、授業で目的以外の使用をする生徒もいる。

41.富山県 T市立K中学校 川堰 教諭

 富山県の山田村は各戸にインターネットに接続している。本校では20台。インターネットに接続する予定である。学情研のソフトを購入して利用している。本数は増えてきたが、使う時間を確保するのが大変である。アルゴリズムの学習に選択数学で利用している。

42.富山県 I村立I中学校 岩倉 教諭

 7年前にFM−Rが2人に1台の割合で導入された。今年度、1500万円の予算がつき、1人に1台の整備を行うため、機種選定を行っている。数学では、シミュレーションを利用している。アニメーションソフトも利用している。富山県では、数式部会・関数部会・図形部会に分かれて研究を行っており、図形部会で研究を行っている。コンピュータで基礎・基本を身につけたいと考えている。