平成9年度情報教育指導者講座 中学校・数学(神奈川県)

平成9年10月3日  9時00分から10時30分

「作成した指導案をもとに発表・協議」


○図形ランチボックス(創育)
             新潟県Y教諭
 日本的なグラフィカルなソフトであるが、計測機能(複数のものの比較ができない)に不満があった。物差しが前に描いた図形を隠してしまい、邪魔であった。空間図形はあらかじめいくつか用意されているので下位の生徒には良いと感じた。



○GeoBlock(IBM)
             千葉県I教諭
 図形変形、描き直しが容易にできるのが特色である。条件を自由に変えられること、無数の図形が扱える、画面上で自分の考えが確認できること等がよい点である。いろいろな考えが生徒から出てくることが予想されるため、それに授業時間の中で対応していくかが難しいと感じた。



○カブリU
             新潟県U教諭
 他社と異なり、白紙の状態から作図する。連続して図形を変化させ、変化するものと変化しないものを探し出すことができる点は、他の作図ツールと同様である。カブリTは日本語版がある。カブリでは、弧の長さは測定できない(中心角を測定し、計算式を使って表示することは可能)。また、図形を切り取り(平行)移動する機能がほしいと感じた。



○関数ランチボックス(創育)                   千葉県H教諭
 関数でのコンピュータ利用は難しいと感じている。数多くのグラフを描くことから性質を発見するという方法が一般的ではないかと考えている。反比例のグラフの学習授業を考えた。点しか打てない、折れ線になってしまう、曲線をかける等の能力差があるため、それぞれの生徒対応しなければならないが、下位の生徒に必要な目盛りがなくても点を打つことができる機能もあるため、それを生かした授業展開を考えた。反比例の場合、xの値を0にするとコンピュータが止まってしまう(ハングアップ)のが欠点である。Windows版では改善されるように開発中である。



○関数ラボ(IBM)
            東京都A教諭
 連立方程式をグラフで解くという問題は、テクニックとしてあるが、実際に用いることはなく、方程式を解いてしまった方が速く、正確であることが多い。生徒に操作させると時間がかかり、効率が悪い。そこで、生徒には紙面で解かせ、その後に教師が操作する授業展開を考えた。



○Mathematica(WOLFRAM RESEARCH & 日本電子計算株式会社)
            富山県T教諭
 カブリと同様に白紙の状態から作成するため自由度が高い。機能が多く、考えていることはすべて実現できそうな感じがするが、難しいと感じた。図形を描き、点を移動させたりするのは操作が難しい。プレゼンテーションや教材に有効であると感じた。予想している言葉が生徒から返ってきたときに、適切なメッセージがでるとよいと考えている。さいころを投げるときの目の出方を調べる学習の教材を作成した。400回のデータを入力する表を作成し、数字ごとにカウントしたり、色表示する機能をいれる予定である。また、相対度数のグラフを自動作成する予定である。